★★★★★【2019年No.1】ジョーカー (JOKER) [誰しもが悪になり得る]
どーも、富田です。
本日はジョーカーについてレビューさせてください。
まず初めに言っておきますが、
気になっているけれどまだ見ていないというそこのあなた。
今すぐ見てください!
それぐらいおススメできるのが本作品です
あくまで個人の感想ですが、
ジョーカー(JOKER)は2019年の映画の中でNO.1でした。
それぐらい良かったのでぜひ見ていただきたいと思います
すでにレンタルが始まっているようなので、借りてみてください
(私はブルーレイを買いました!)
【作品紹介】
『ジョーカー(JOKER)』
公開:2019年
監督:トッド・フィリップス
受賞:ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞
アカデミー賞 複数ノミネート(2019.1.30 現在)
【本作品レビュー】
「ただの善人な青年が悪に染まる過程がただただ美しく、人の心を魅了する。
その異様なまでの美しさを感じてほしい」
※本レビューはネタバレありまくりですので、情報を入れたくない人はこれ以上
見ないで下さい。よろしくお願いします
~以下、ネタバレあり!~
❶前半と後半のコントラストに思わずうなる
主人公のアーサーは母と二人貧しく暮らす、どこにでもいる青年でした。
そんな彼が楽しみにしていたのがマレーのTVショーでした。
作品の前半で、彼は自分がショーの客席に座っている姿を夢想します。
そこではマレーに称賛され、ハグされる自分の姿がありました。
彼はそんな姿を夢見ていました。少なくとも前半は。
しかし物語の最終盤で、実際にマレーのショーに出た自分の姿は
客席ではなく、なんとゲストの席にありました。
しかも、ハグされるどころか自身が激昂し、なんとマレーを射殺してしまうのです。
ショーに出て拍手を浴び、ハグすることを夢見ていた男がまさか
生放送のショーで人を殺すことになるとは。
この過程を描くのが本作の見どころであり、本質でもあります。
私が尊敬している、オタキングこと岡田斗司夫氏はジョーカーについて
「本作は、ある男が悪に落ちる過程を描いた、ある種のドキュメンタリーだ」
といったことを言っていましたが、まさにドキュメンタリーであり、
だからこそリアル感を持って、私達の感情にじわじわと浸食してくるのだと思います。
❷自身を開放する様に魅了される
自分のミスで仕事をクビになるアーサー。
帰りの電車で若者3人に絡まれ、いきおい持っていた銃で3人を射殺します。
この一発目を撃った瞬間から、これまでのアーサーは消し飛びました。
障害を持ち、善人であろうとしていた男が突然鋭い眼をし、狡猾に獲物を追い、
そして仕留めたのです。
思わず駆け込んだ公衆トイレで、彼はなんと踊りだします。
独特のステップで、しかし思わず目を見張る異様さと美しさを示しながら。
彼は偽りのピエロから、本当に自分の生きる道、自分のあるべき姿を確信したのです。
遂に自分自身を開放したのです。
私はその姿に、思わず美しいと感じてしまいました。
ただの人殺しであるにも関わらず、です。
理性で称賛してはならないと考えつつも、心では称賛している状態。
この矛盾による葛藤も、本作の魅力の一部であるかもしれません。
❸誰しもがアーサーになるかもしれない、というリアル感
冒頭では、みんなを笑顔にするためにコメディアンになると意気込んでいた
善良な青年。母の世話をしながら暮らしている優しい青年。
そんな青年が徐々に悪に落ちていく。
もしかしたら、自分もあることをきっかけに、アーサーみたいになるかもしれない。
このリアルな感覚が、映画を通して緊張感を保ち、観客を引き込みます。
格差が広がり、どこか生きづらさを感じ始めている社会。
作中の舞台であるゴッサムシティがどこか現代社会とリンクする感覚も、この映画をさらにリアルに感じられる要因かもしれません。
実際、ジョーカーの上映期間中に香港での大規模なデモが起きており、
私はその様と作中の暴動がシンクロして仕方がなかったです。
社会的な側面からも、ぜひ見てほしいと思う一本です。
<まとめ>
正直すぐにでも見てほしい。
でもバットマンのオールドファンは混乱するかも。
本作で描かれるジョーカーは、これまでのバットマンシリーズに出てくるジョーカー
とは別物の、別世界の人物と考えたらよいかと思います。
私はバットマンシリーズに詳しくないので違和感なくみれましたが、
シリーズのファンはこんなのジョーカーじゃない!と思う人もいるみたいです。
なので、シリーズのファンは別物として見てほしいです。
シリーズを知らない人は、本作から見ても十分楽しめるので、是非見て欲しいですね。
私はまた何回か本作を見ると思いますので、気づいたことがあれば
追記していきたいと思います。
ジョーカーを超える作品はなかなか出てこないと思いますが、
また良い作品に出合えたらこちらでシェアしたいと思っておりますので、
よろしくお願いいたします
ではまた。